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2014年7月19日 (土)

10月の北アルプス。白馬岳遭難事故を教訓に。

昨日(2014年7月18日)の信濃毎日新聞に気になる記事があった。2006年10月に九州から来た4人の登山客が白馬岳で低体温遭難したときの福岡のガイドさんの公判についてである。今後の遭難防止の観点からもの申す。(下のほうに2009年以降の初冠雪の山頂写真を掲載していますので、ご覧ください)

被告は「判断、行動は最善で過失は認められない」と無罪を主張する中に、

「最後に入手できた気象情報は、事故前日の午後5時に祖母谷温泉の山小屋で見たテレビの天気予報で、低気圧や台風が列島に離れていくと予想される情報だった。」と説明。

9月半ばまでの夏山なら、この説明でよかろう。しかし、台風や低気圧通過直後に日本海側特有の季節風が吹いて一時的な冬型の荒天となるのがあたりまえの10月の北アルプス北部には、これは通用しない。さらに、問題は、

「事故に至った突然の天候悪化はごくまれにしか生じず天候悪化の予測は不可能だった。」と、主張した。と続く、新聞記事にある。

福岡のガイドさんが、10月の白馬岳での「ごくまれ」にしか生じない天候悪化と思っているなら、それは、ガイドさんの無知が原因の山岳事故であると自らが言っているようなものである。公判の中で、自分にとって不利な事を言っているのに気がついていない事がこっけいに思えた。たしかに、10月の白馬岳の気象特性を知らなかったという点においては予測は不可能である。しかし、素人ならともかく、有罪無罪以前に、プロのガイドとしての資質に問題があるのではなかろうか。

10月の北アルプス北部のこのような天候変化は、日本海側特有の現象であり、ごくまれではない。雪国では、それが、毎年の季節の変化である。10月にアルプスの稜線で始まり、それが、やがて里へと降りてくる。

南アルプスなら低気圧が去った後は晴れる。しかし、北アルプスは雪になる。前日の夕方にテレビで見た天気予報での福岡の山岳ガイドさんの判断は、南の山なら正しい(それでも、私は1997/10/10には塩見岳にて初冠雪に遭遇しました。)かもしれないが、10月の北アルプスなら間違っている。遭難防止観点から地域・山域・山脈ごとにガイドの資格とするように改めたほうがいいのではなかろうか。

さて、私が申したいのは、ガイドさんの有罪無罪ではなく、資格ばかりが先行して、中身のない人がいる今の社会全体における資格構造の問題。それは、知識ばかりが先行して知恵がない。本やネットで調べて、わかっているつもり。自分が足を運んでみたわけではない。だから、地元のガイドさんを私はすすめる。なぜなら、彼らは、毎日、自分のその目で山を見ているからである。

余談だが、都会や南のほうから来るガイドさんには、たまに嫌な思いをする人がいる。ある秋の事、大雪渓を登っている時、その先で赤ラインがクレバスで寸断されているので、迂回するために、赤ラインをはずしてトラバース気味に登っていたら、後ろから「そこのあなた!ラインをはずしちゃダメでしょ!」と、偉そうに怒鳴られた。南のある県からきたガイドさんだった。その後、下を振り向くと、案の定、登山客を連れて、クレバスで行き止まって、飛ぶかまたごうか考えていた様子。危険なので見るに見かねて、「迂回しないと危ないですよ。」と、教えてあげたが、資格で頭でっかちになって、中身のない典型的な例であった。

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さて、気分のいい写真を見ながらお話をしましょう。

10月に白馬岳を計画されている方もいましょう。そこで、この現象を写真で紹介します。暑い夏の今の時期。雪の写真で涼しい気分になってくださいな。

091010_0703052009年10月10日午前7時頃。台風一過で里は晴れの予報。猿倉から見える白馬岳が初冠雪。稜線は風が強そうだ。



091010_100149同、午前10時頃。葱平付近から、冬型の季節風が強くなり始め、雪となる。遭難した時は、おそらく、このような状況だったのではなかろうかと思います。
これは、大雪渓ルートですが、祖母谷温泉からではかなり長いので、相当疲れていたと思います。しかも、清水岳の手前から、ずっと稜線の吹きさらしですから、ルート選択にも問題があったと思います。
祖母谷温泉から登ると、登りがかなり長いので、それを下りに使う逆ルート、栂池や大雪渓から登って、祖母谷温泉に降りるほうがおすすめです。

091010_111117同、午前11時過ぎ。村営白馬岳頂上宿舎。気温はグングン下がって積雪が増えていく。この連休で村営宿舎はシーズンを終えるということで、幸いにまだあいていて、暖をとらせてもらった。

091010_120044同、12時頃。吹雪の白馬岳山頂。標識の左に伸びている氷は、前日の台風の時による南東の風によるもので、季節風は、その逆、左から右に吹いている。
経文を唱えて岐路に着く。午後3時過ぎ頃、猿倉に戻る。

このような、天候悪化はごくまれではなく、10月には毎年あたりまえのように訪れる白馬岳です。これが来なければ、冬になりません。私の経験上、白馬岳の初冠雪は早い年には9月下旬。平均して10月上旬~中旬。遅い年で10月下旬~11月上旬です。

091021_120455_22009年10月21日。毎年と言う単位ではなく、台風や低気圧が通過するたびに、毎回、この現象があります。だから、福岡のガイドさんの「ごくまれに」という主張は間違っているのです。この状況を知らないだけですね。
この写真は、上の写真の日の次の台風が通過したあとの2日後の白馬岳山頂からです。積雪が増えてきました。もう完全に雪山の領域です。

101027_1453032010年10月27日。2010年は雪が遅く、10月下旬になってから初冠雪になったのですが、そのほうがまれです。



111003_1249182011年10月3日。10月2日に台風が通過して、初冠雪になりました。里の予報は台風一過の晴れ。しかし、稜線はごらんのように、季節風で荒天になっています。次の日・・

111004_1219532011年10月4日。白馬岳山頂です。台風や低気圧がすぎるたびに季節が進むので、初冠雪の日には毎年、ピストンして、その年初めての雪を拝んでいます。


121012_1048462012年10月12日。低気圧通過後。またもや、吹雪に遭遇です。良いお天気の初冠雪の日に登ることができるほうが珍しいです。



131014_1226202013年10月14日。昨年は10月12日に低気圧が通過してその後、初冠雪となりました。いつもは白馬岳の初冠雪を拝んでいますが、昨年は10月14日に鹿島槍ヶ岳を扇沢出合からピストンしています。
写真は、鹿島槍ヶ岳の北峰から見た南峰です。南峰から北峰への吊尾根の岩場は積雪のため難ルートになっていました。

131018_1130112013年10月18日。鹿島槍をピストンした2日後、台風26号が通過して、冬型になり、2日後にしてやっと晴れたので、初冠雪を拝みに白馬岳をピストンしました。14日と比べると積雪が増えています。

さ、今年はどうなるやら・・初冠雪を拝めるタイミングは難しいです。無理とすると大きな危険を伴います。

141007_115007【追記】2014年10月7日。
低気圧通過後の2日後に晴れましたので、初冠雪を拝みに登ってきました。3号雪渓出合いから積雪があり、風がとても冷たかったです。

151014_123815
【追記】2015年10月14日。10月11日に寒冷前線が通過し、3日間というのは視界のない吹雪の白馬岳でしたが、北アルプス北部は低気圧や前線が通過後も冬型の天気が続くのです。14日に晴れたものの、まだ季節風が残っていて、氷点下の上に、北西の風が吹き飛ばされそうに強く体感気温はマイナス20度。太陽のぬくもりを全く感じない異質な世界。

初冠雪から根雪となりますと北アルプスは世界有数の厳しさの山となります。雪山経験者の領域となりますので安易に入山しないように。

明日は、土用の入りですね。暑い時期に、雪のお話で、涼しい気分になってください。

今日のテーマは。「英知より叡智」であります。

尊無上亜甲中玄    玄上

 

 

 

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雄大な日本アルプスそのものが、まさしく至心玄道、私の「お山」なのです。

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