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2012年5月24日 (木)

白峰南嶺|笊ヶ岳~布引山

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その昔、寒行山修行に励んだ南アルプスの山々。すべてを歩きつくしたでかい山々。こうしてブログで語っていると、とても懐かしく思います。しかし、時は止まっていない。ある山行中のこと「日本海の見える鹿島だ」という声に背中を押され、私は静岡を去ったのです。そして、今、五竜遠見尾根ごしに、日本海を向いている鹿島槍ヶ岳を望める長野県の白馬村にいる。日々登る山は、安倍奥に比べるとはるかに大きい。十枚山代わりに白馬岳にあがる。十枚~大光山代わりに、白馬岳~杓子岳~白馬鑓を走る。笊が岳の代わりに・・と、スケールはでかくなった。しかし、南アルプスの三千メートルの峰々は広大で、でかかった。

 と、いうわけで、昨日の続き、本日は笊が岳へと進みます。その前に、笊ヶ岳に初めて踏み入れた頃の手記を日本百名山ふうにつづっていますので、ここに掲載します。

Zarukozaru 笊ヶ岳の山頂から東を見れば、小笊の頂にポッカリ乗った富士が印象的である。 西から北を見回すと、そこには南アルプスの三千メートルを超える巨峰群が雪をまとって並んでいる。Zaruhijiritenboその様は東に見える富士が日本一ということで有名だが、中身の濃さは、西に見える巨峰群がはるかにずば抜けているようにさえ思わせる。

 その山塊の大きさや体積は富士をしのいでいることをありありと見出すことができる山頂。これは、富士に登っても、南アルプスの巨峰群に登っても気づかないであろう。表向きにこだわりがちな我々だが、なにか人の道を教えてくれている師匠のような、笊ヶ岳である。 玄上

※お悩み相談は御霊断鑑定へ。

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 夏にはうっそうとしているであろう青薙山も緑が少ないので案外見とおしがよい。次の日も天候に恵まれ、冬の太平洋側独特の快晴である。前の日に、青薙崩からたどり着いた稜線の分岐まで戻って、北上する。右手に逆光の富士山がみえる。晴天に恵まれて、これからいく尾根は、はっきりとわかる。

 このあたりから雪質が変わっていて、足元が楽になる。前日までの厳しさとうってかわって、冬の2300m~2400mの雪上の散歩である。稲又山(2405m)で、さらに展望は開ける。夏ならこの広い稜線はうっそうとしていてジャングルであろう。

 葉の落ちた木々の間に、行く手の尾根がはっきり望める。この分では、予定より早く布引山(2584m)に到着しそうである。

Nunobikikuzu  足元には崩壊地、布引崩れを左にみるも、穏やかな冬の快晴で、その崩れのダイナミックな姿を十分に堪能できる。布引崩の崩壊地の淵をただひたすらに登る。少し、スリリングだ。

 やがて、尾根は布引崩れから離れ、ひと登りで、布引山の山頂である。木々で覆われたこの山は風除けにもなって絶好のテント場でもある。到着はお昼頃だったので、幾度と来た笊が岳山頂を往復する。

 白峰南嶺の長大なる尾根。まっすぐ北へ行けば伝付峠を過ぎて、高度を上げながら農鳥岳へと連なる。しかし、今回は布引山で成満を向かえ、翌朝、山梨県の雨畑へと下山することに。

 伝付峠から笊が岳へと南下する記事や伝付峠から農鳥岳の記事などもございますが、南アルプス白峰山嶺のお話は、ひとまず本日でおしまい。また、いずれの機会にお話します。

 明日からは、長野のお話に戻ります。

尊無上亜甲中玄    玄上

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2012年5月23日 (水)

白峰南嶺|イタドリ山から青薙山

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120523_063626 道場のミヤマキンポウゲが咲きました。いよいよ、初夏の訪れです。高山植物ですので、山で採ってはだめですが、8年ほど前に、白馬の山野草の販売店で株を購入して育てています。白馬に来られたときは、寄っていかれてはどうでしょう。

 さて、南アルプス白峰南嶺のお話、昨日の続きです。

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 翌朝、北風が強いが天候は晴、太平洋側特有の冬の青空になった。北の空はどんよりとしている。日本海側はおそらく大雪であろう。昨日、最後に通過したピークが青笹山であることが再確認できてホッとして、昨日までの疲れが吹っ飛ぶ。

 前日の夕方には雪に埋もれかけていた笹原も、昨夜の雪で、笹も雪の下に埋もれて、見た目は歩きやすそうな雪原となっていた。しかし、降ったばかりの雪の下は笹を押しつぶすほど締まっていなくて、かえって歩きづらい。踏み抜いてしまったり、膝で雪をつぶしながらの前進。気温は氷点下十数度であろうが、汗ばむ。

 しかも、山梨県側が急峻に切れ落ちている。やや大井川よりをトラバースぎみに歩く。天候に恵まれ、地形図と自分の所在がはっきりとわかる。冬の枯れ木からの展望も素晴らしい。イタドリ山と呼ばれるピークを過ぎた後、尾根は二手に分かれる。天候が悪い時は迷いやすいかもしれないが、目的の青薙山へと尾根をたどる。どんどん降下し、小笹平らしいところの高原状のところにつく。とても爽快なところだ。

 さて、ここから登りにかかるのであるが、この先にとんでもない難所が待ち構えていた。

 雪原の小笹平で展望を満喫し、大井川の深い谷を隔てて大無間山や、南アルプス南部を正面に見ながらゆるい登りにかかるが、すぐに冬の枯れ木の樹林の急登りになる。小さなこぶ状の尾根にたどりついてからは幾分か緩やかになるが、小笹平からの標高差500mは雪に足を取られつつ、体力を消耗する。

 やがて、目の前が一気に開ける。ピークにたどり着いたとたん、足元は断崖だ。大井川の谷も、山梨県側の谷もスッパリと切れおちていて、雪の積もったその稜線はまるでナイフのエッジのように鋭い。特に、大井川側は青薙崩れという大崩壊地だ。覗き込めば1000mは落ちているであろう。正面には青薙山の絶壁。ナイフの上を通過し、あれを登らねばならぬと思うと引き返したくなるところだ。

 ピークから少し降りて、ナイフエッジに取り付く。崩壊地の断崖から巻き上げる風がすごい。アイゼンを装着し、慎重に渡る。ゴーっと風がうなる。新雪が積もっているので足元が見えない。どこまで踏んで良いか。さて、とにかく、ナイフの一番とんがりをたどる。新雪を押しのけ圧雪すると、ナイフエッジがなくなって恐怖感を少なくしてくれる。次の問題は、これを渡り終えたところの絶壁の登りだ。

 ピッケルを突き刺して、アイゼンのつま先を突き刺す。岩が出ていようがお構いなし。とにかく強風の中、飛ばされてもいけないので、慎重に足場を確保して登る。距離にして数メートルの登りだが、後ろには先ほど渡った大崩壊地が下にぽっかり口を広げている。

 これを無事に登り終えると、ふと休憩したくなる。足場は良くなったとはいえ、目の前にはまだ急登りの尾根が待ち構えている。尾根をひと登りで、青薙山の尾根に到着する。左へ行けば青薙山を通って大井川の畑薙ダム方面へと下ることができるルートがある。予定はそれを下らずに、さらに北上するので、青薙山の方へいってテントを張ることができる平を探し、幕営する。

 ここでは、「もういいだろう、ずいぶん頑張ったじゃないか・・」と、大井川のほうへ下りたいという心の誘惑と。「大丈夫、まだ余力は十分ある。成し遂げよう。」と、予定通り笊が岳まで進むという意識が交錯する夜であった。

 明日に続きます。

尊無上亜甲中玄    玄上

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2012年5月22日 (火)

白峰南嶺|吹雪の三の沢山~青笹山

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Zarukan 昨日の話題は金環日食で盛り上がりましたが、今日から再び、山のお話です。

写真は布引山から派生する尾根の途中、2000m付近の桧横手山近くの、冬季の様子です。山修行にはカメラを持っていかないので、珍しいひとコマです。

 さて、昨日の続き。山修行でなければ、これからお話しするような状況なら、動かないでビバーグすべきですね。

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 笹原の中で一夜を過ごし、翌朝は雪が舞うあいにくの天気である。アルプスの三千メートルの山々が見えないので進んでよい方向がつかめない。テントを撤収し、出発準備は整ったものの、深い笹でどちらに進んで良いかわからなくなる。自分が笹につけて来た赤テープの入り口の印は夜中から降り続いている雪で見失ってしまった。もっと高いところに印をしておけば良かったと後悔するも、とにかく、止まってはいられない。地形図ではこのまま北に向かって登っていけばすぐに三の沢山につくであろう。前日は、笹原の間から見える南アルプスの三千メートル峰を見ながら方角を決めていたが、この日ばかりはコンパスのみが頼りである。

 北へ、尾根よりもやや右をトラバースするように徐々に登り始める。積雪も中途半端で、もう少し積もってくれていれば笹も雪の下であろうが、笹に積もった雪がかえって笹こぎの邪魔となる。どうせ踏み跡もないし、とにかく笹を掻き分けて進む。このあたりは笹の密度も高く、信州鎌も歯が立たない。体重で笹を押しつぶし、そしてかき分ける。体力を要する。

 登っていくうちに、やがてまっすぐ進むと下りになってしまうところにたどり着いた。左あがりであるが、三の沢山も笹に埋もれて確認はできない。しかし、半分はヤマカンだが、地形図では絶対にまっすぐ下ってはいけない感じがした。大井川の谷へと降下してしまって、がけっぷちに出てしまうことになる。しかし、ここはどこへ向いても下りである。

 尾根伝いに出るには、北東の方向へととにかく進むしかない。少ししか進んでいないのに、体力がすごくかかる。しかし、下りは幾分か楽である。尾根はやがて平坦となり、さらに混迷を極める。傾斜が緩んでは尾根も区別できなくなってしまった。コンパスを頼りに歩いてはいるものの、さて、ここはどこなのか?という感じである。

 降りしきる雪、ゴーっと冬の強風が笹原を慣らす。笹のおかげで、少しは防風になっているのは助かるが、体感温度は、おそらく氷点下十数度はあっただろう。

 完ぺきに地形が読めなくなったので、テントを張ってビバーグして晴れた日を待とうかと、頭の中をよぎったとき、ふと、あることに気がついた。そこで賭けをしてみた。このあたりの地形は山梨県側に切れ落ちているので、東に歩けば崖か急な下りにぶつかるのではということで、笹原を東に進路を変えたところ、平坦と思っていたが、やや登りに感じた。尾根をはずしてしまっていてルートをやや大井川よりにとっていたかもしれない。下りは幾分か楽なので、ついつい、楽なほうへといってしまうのかもしれない。まるで人生だ(笑)。

 賭けは的中した。右に急になっている尾根状の地形にとりつくことができたのである。尾根を登ると、右に崖があって視界も開けて急に風当たりが強くなる。ダケカンバの林のピークで、出発してここまでの4時間で、直線距離にして1キロしか進んでいないことに気がついた。ここからは風雪との戦いとなる。


 標高2000mを越える稜線、北風がザザザザーと、笹原を鳴らす。氷雪の向かい風は、時として息をするのも苦しくなるほどだ、やがて雪も激しさを増し、降ってくる粒も大きくなる。上から降るというよりも、下から舞ってくるといった感じである。やがて、崖の淵に出る。ゴーッと視界の利かない崖の下から吹き上げてくる風は不気味でさえある。崖を上を通過してから、2209mの青笹山らしきピークを少し越えれば冬の枯れ木に囲まれた平坦なところがあって、ここにテントを張ることにする。

 その夜も雪がやむことはなく、熟睡はできない。二時間ごとに外に、テントに積もった雪を見張りに出る。一晩休んでしまうと、テントごと雪で押しつぶされても困る。北アルプスほどではないが、あっという間に雪が積もっていく。白峰南嶺の山域にしては珍しい大雪、いや、珍しいというより、私が知らなかっただけであろう。

 明日に続きますぞ。

尊無上亜甲中玄    玄上

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2012年5月21日 (月)

白峰南嶺|小河内山から水無峠山

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2012_2 先ほどは、特設記事の速報で金環日食の写真を公開いたしました。皆様のところでは見ることができたでしょうか?白馬では、緯度が高く、金環ならずにカチューシャ日食でした。左の写真をクリックすると大きな写真をご覧いただけますが、撮影の仕方や撮影時刻などの詳細は速報の記事をご覧ください。ところで、次に日本で見ることができる日食は、2030年に北海道で金環日食、2035年に本州で皆既日食です。

 さて、本日より、いよいよ南アルプスの秘境、白峰南嶺へと突入いたします。人と出会うことのない長大な尾根。魅力的なのだが、道なき道の難ルートもありで、私が14年ほど前までよく山修行に訪れたところであります。

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 とある12月。前にお話しました安倍奥の山伏岳から、南アルプス白峰南嶺を北上。12月だから笹が雪の下に埋もれているかというと、南アルプスは北アルプスと違って雪も少なく、12月というのに笹こぎが待っていた。雪のラッセルも体力を要するが、笹こぎも体力が必要となります。

 山伏岳山頂から西にかすかな踏み跡があり、それを入って下る。大変な急坂だが、樹林の木々につかまったり、ところによってはロープが取りつけてある。下りきると林道に出る。静岡県と山梨県の県境の大笹峠で、この先は一般のルートではないのでハイクにはお勧めできません。危険です。

 人工的な塀を山梨県側から登りにかかるとすぐに低い笹原と木々のまばらな林の道となる。道といってもはたしてそれが道であるのか、地形を把握していないと必ず迷いそうなところ。なんとなくの踏み跡だけ、やや笹の丈が低くなっているので、ルートとわかる程度でした。笹原の難ルートです。笹原を笹を掻き分け登りつめると、2076mの小河内山です。笹に覆われており、座って休憩などとノンビリできそうにもない山頂。もちろん(今はどうかわからぬが)「小河内山」という標識もありません。

 小河内山からも先は笹で覆われて道もありません。尾根の地形を外さない様に慎重に笹を掻き分けて下るとさらに笹は深くなり、樹林も深く、どこを歩いているのか不安になります。自分の背丈ほどもある笹、冬だから木々も葉がなくて助かるが、夏だったらもっと見とおしの利かない樹林だろうと思った。人の手がまったくはいらないといっていいほどの、まさに「此れぞ自然」です。

 水無峠山と思われるピークから夕暮れが迫る。笹の上に積もった雪が笹こぎで落ちてくる。冷たい。さらに、笹は深くなる。見通しもまったく利かなくなって、歩いている尾根が正解なのかどうか不安もピークに達する。まるで、未来の見えない人生の修行をしてるようです。やがて、ポカッと開けた場所に出る。今日はここにテントを張るとしよう。

 人もいない。人工物といえば自分が背負って来た荷物だけ。雪がうっすら積もった笹原の中での幕営。まさに、大自然の真っ只中にいる。しかし、明日の朝が怖く感じる。何故なれば、今自分はどこにいるのか、確かな確証がないのです。笹原の中、道も無い。来るんじゃなかったと後悔が頭をよぎるが、これも修行。腰を据えて「尊無上亜甲中玄」唱え、眠りについたのだが、翌日にはとんでもない試練が。

 お話は、明日に続きます。

尊無上亜甲中玄    玄上

 

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2012年5月20日 (日)

白峰南嶺|白峰南嶺概要

 明日は金環日食。太陽が月の向こうに隠れる日であります。でも、月のほうが小さいので、太陽がちょっとだけはみ出て、リングになります。月のほうが大きいときは皆既日食となります。月と太陽の大きさは微妙に変化するからなのです。実際の大きさが変わるのではなく、軌道が真円ではなく、やや楕円なので、月も太陽も地球から見た見掛けの大きさが変化するのです。そのタイミングによって、金環日食と皆既日食になるわけです。

 明日の金環日食については、国立天文台のホームページにてどうぞ。

 さて、今日からは、かつての私の行場のある南アルプス白峰南嶺のお話です。毎日更新していますので、ぜひ、明日からもご覧ください。

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 日本で一番高い山は?誰もがご存知、富士山ですね。それでは二番目に高い山はと問われると、山に興味のある人以外は、なかなか答えられないのではなかろうか。さて、その2番目の山ですが、南アルプスの白峰三山のひとつ、北岳(標高3193m)です。最近で[PR] 運命の転化の無料メルマガがあなたの人生を変える。は、登山ブームとあって、ハイカーやクライマーの山域である。

 南アルプスの白峰三山の稜線は、北岳、中白峰、間ノ岳(あいのだけ、3180mで日本で4番目に高い)までは、登山者が多い。何故なれば、北岳と間ノ岳は深田久弥の日本百名山に入っているからである。間ノ岳のその南に足を伸ばすと急に山は静かになる。

 間ノ岳は南アルプスの交差点のようなところで、南へは、大井川の谷の左を行くか右を行くかの分岐点でもあり、富士川支流の野呂川の谷を左に行くか右に行くかが別れるところである。

 さて、これを、白峰三山の南の端の農鳥岳(のうとりだけ)へと向かう。白峰三山にあって、農鳥岳は百名山にはいっていないので、北岳、間ノ岳に比べると静かである。百名山もいいが、もっと素敵な山はまさに「山ほど」ある。日本アルプスにあって際立つ3000メートル峰の中で唯一百名山でない。私なら、西農鳥~農鳥岳の3000メートル峰を百名山におく。

 これから述べるのは、この白峰三山ではなく、農鳥岳から昨日お話しました山伏岳まで。農鳥岳から南は、大門沢降下点を過ぎると、登山者がいなくなる。南アルプス白峰三山の南に伸びる、全長およそ40kmにも及ぶ長大な二千メートル級の尾根。これが、白峰南嶺である。平地であれば10時間歩けばいいが、この山域は高低差が激しく、難ルートであるためそう簡単にはいかない。

 農鳥岳の南の広河内岳から、いくつかのピークを過ぎながら、伝付峠まで標高を下げた後、ふたたび笊ヶ岳の2600mまで高度を上げ、青薙山から山伏岳へはさらに難ルートとなる。

 途中の離脱ルートは、広河内岳から伝付峠まではない。伝付峠から南は、笊ヶ岳の北に大井川方面へ、布引山から山梨県の雨畑へ、荒れている難ルートだが所の沢越から大井川へ、青薙山から大井川畑薙湖へ、そこから先は、山伏岳までない。

 積雪期は別として、水の調達も、稜線から沢へと下り登りということになる。「登山道」というような道も少なく、夏にはブッシュが覆い繁る南アルプスの難ルートである。途中に山小屋は当然の如くないので、テントを背負ってということになります。全体を走破するには10日以上はかかるであろう。

 だからこそ、一般登山者は訪れない、登山ガイドブックにも詳細はない。まさに岳人、仙人の聖域なのです。明日からは、この山々に潜む哲学をまじえて、南の端、山伏岳から北上する形でお話しましょう。いよいよ核心部に突入です。明日もご覧くださいな。

尊無上亜甲中玄    玄上

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2012年5月19日 (土)

安倍奥|山伏岳

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Yanbusinana  山伏岳(やんぶし)は安倍奥で唯一2000mを越える山である。安倍川の谷から見れば、安倍奥の山ではあるが、大井川対岸の大無間山(だいむげん)や聖岳方面から見れば、立派に南アルプス白峰南嶺の一番南の山となっている。

 私はこの山を南アルプス白峰南嶺の接点として位置付けている。現に、この山から北に向かって南アルプスに入ったこともある。それは、大変体力と地形を読む力が必要になる難ルートであり、人が入らない聖域です。明日から、お話しますとして、本日は、この山伏岳のお話です。

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 山伏岳へは、色々なルートがあります。静岡市の大井川側の井川から林道を伝って、この山の直下まで車ではいることもできます。徒歩20分ほどで山頂に立てる山ではあります。

 また、梅ケ島から、安倍川の一番奥の大谷崩の頭を通過して縦走するコースもあれば、安倍奥西山稜の笹山から縦走もできます。車で近くまでいってしまっては面白くないので、梅ケ島の近くの新田というところから入る事にします。

 ご遠方からの時は梅ケ島温泉で一泊~二泊してノンビリとハイクしたいものです。さて、バスでは、静岡駅から梅ケ島行きで、新田で下車します。新田のバス停がちょうど山伏への入り口になっていて、東へと集落をぬけて歩いていきます。車もじゅうぶん通れるので、車できた場合は、林道の登山口の手前まで入ることができます。

 安倍川支流の大谷川を渡って急カーブを3~4つ過ぎると、左に入る林道が現れます。この林道を、安倍川支流の大島沢を左に見ながらさらに奥へと進みます。左に見る大島沢は、沢というより、大きな川原です。対岸には安倍奥西山稜の稜線へ登るルートもありますが、当時は荒れて危険な状態でした。

 新田から一時間ほどたった頃でしょうか、川原の駐車場が左に見えてきます。車できた時はここに停めます。この駐車場から5分ほどで、川原はつきあたって西日影沢のまさに、「沢」になり、この沢を小さな橋で渡った所の小広い広場から東に登山道の登り口になっています。林道は先へも続いていますが、荒れているので(約15年前当時)立ち入らないほうがいいでしょう。また、車はこの広場まで来ることができますが、森林管理の作業車が方向転換したり、先の林道へ入ったりするので、ここに車を停めてはいけません。登山口の直下で便利ですが、歩きにきたのですから、5分下の駐車場に停めましょう。登山口からすぐに始まる急登りのウォーミングアップにもなります。

 西日影沢は紅葉がすごくきれいな所です。夏はうっそうとしていますが、秋は大変お薦めです。

 登山口からひと登りすると作業用のモノレールがあります(約15年前当時)。しばらくはこのレールと行動を共にします。モノレールが終ると杉や桧の植林の中を通り、それを出るとわさび畑の中をいきます。水がこんこんと湧き出ていて登山道も水浸しです。この先、沢を渡渉したりするので、防水の登山靴のほうがよいでしょう。

 やがて、作業小屋が姿を見せ、大きな岩の下を通過した先で、沢を右に渡ります。ここで、うっかりとまっすぐいくと危険ですので、大岩を過ぎたあたりから、右の対岸に道があるかどうかを注意しておく必要はあります。この沢から先は急な登りが待っているので、一休みしましょう。

 西日影沢を左岸に渡ってから、樹林をトラバースしながら、どんどん高度を上げて行くとやがて西日影沢も遠ざかって沢の音がしない静かな山道になります。途中、枯れ沢を登る所は踏みあとがわかり難いが、とにかく登ると登山道にあたります。急登りで休憩したくなった頃、峠状の尾根に出ます。ここが、蓬峠(よもぎとうげ)。大木を横たえたベンチや大きな石があって休息するにはもってこいの広場です。

 蓬峠から、尾根を右にトラバースしながら登ります。やがて、道は尾根の左に出て再びトラバース。このゆるい登りを3度繰返すと、道は再び急な登りとなって、ブナの老大木のある峠状のところに出ます。ここでも、休息はできます。ノンビリ登るなら、ここでも休憩するも良いでしょう。

Yanbusikoyo  道は先ほどと同じく、左にトラバースして、また右に出ます。ところで、これらのトラバース道、特に、左をトラバースする道は非常に細くなっていて、山肌に落ち込まないように注意が必要です。

 やがて、笹が出てきて、コメツガ、モミなどの森の魅力が出てくると、安倍奥西山稜の縦走路に合流します。この合流時点、左に行けば井川から上がってくる林道にも出る事ができます。

 さて、進路を右にとって山頂を目指します。途中スズタケの広い笹原を抜けますが、右に富士山が安倍川の谷の向こうの安倍奥の主稜線に乗っかった格好で大きく見える所です。その笹原をひと登りで山伏岳山頂(2014m)に到着です。

 北に目をやれば、南アルプスの三千メートル峰の山々、その手前に、南アルプスの白峰南嶺の山々が連なる。布引崩れがまさに、布を引いたように大井川側へと崩れている。

 西には、大井川の深い谷を隔てて、南アルプス深南部の深い山々、大無間(むげん)山などが大きい。さらに、北に目をやると、茶臼岳、上河内岳、聖・・と、徐々に三千メートルに高度を上げていく南アルプス。聖岳、赤石、荒川岳三山の三千メートル峰がビッグだ。山岳ファンならたまらない展望台であろう。

 帰りは元きた道を下ります。さて、明日からは、南アルプス白峰南嶺のお話が始まりますぞ。

 いよいよ、何度も困難を乗り越えた山々、山行の聖域に突入です。ぜひ、明日からもご覧くださいませ。

尊無上亜甲中玄     玄上

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2012年5月18日 (金)

安倍奥|十枚山

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Jyumaizan十枚山~大光山の山域は、今から15年ほど前まで、私が静岡にいた頃に、何十回と足を踏み入れた山です。 あのころより、スケールが大きくなりましたが、今では、北アルプス白馬岳連峰が、それになっているように思います。

写真は十枚山山頂から下十枚山を写したものです。この頃は写真を撮っていなくて、ブログに載せられるのも少ないですが、ご勘弁を。

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 安部奥の山は山梨県と静岡県の県境をトレースするように伸びる山脈です。その中間ほどに「十枚山」という山があります。別名「天津山」、標高こそ、1726mと2000mにも満たないが、スズタケに覆われた山頂は見晴らしも良く、眼下には安倍川や富士川にそって流れる雲を見下ろすこともできる。まさに、高山の雰囲気さえする山頂である。

 十枚山への登山は、山梨県側からは南部町から十枚峠へ登って十枚山へ登るコースと、静岡県側からは六郎木から関の沢からはいるコースがある。当時、私は静岡にいたので、六郎木からのコースをよく歩きました。比較的整備された一般登山道ですし、迷うところも少ないのでおすすめです。ただし、一部、ロープ伝いに登らねばならないところもありますが、丁寧にロープを張ってくれていますから、慎重に登れば問題はありません。

 六郎木バス停から登りましょう。まず、バス停から県道を梅ケ島よりの橋で安倍川を渡ります。すぐに、県道は川に沿うように左に折れますから、細くなった道を直進します。民家の立ち並ぶ中を少しいくと森になりますが、その先で関の沢を右に渡ります。さて、ここから中ノ段という集落まで細い車道の登りです。集落に到着すると、つづら折れの道になって、少しカーブも緩むと、いよいよ車で入れる終点になります。

 車では、中ノ段のはずれの道幅が広くなったところに停めます。道幅が狭いので、集落の方や山に入る作業車の邪魔にならぬように停めましょう。 車道が未舗装の林道に変わってすぐに、左に登山口があることが、標識などですぐにわかります。いつの日か、その登山口に「クマ出没注意」と標識が増えたのですが、なるほど、いた日もありました。

 さて、ここからが山道です。最初が緩やかな森の中の道をいくのですが、急になったところを越えると右にしいたけの栽培をみて静かな尾根の道をひと登りで、十枚山直登ルートと十枚峠への分岐につきます。さて、どちらを登ろうかな?直登ルートのほうには「健脚者」の方がいいというように標識に書かれてはいるがたいしたことはない。こちらのほうがうんと早く山頂につくことができる。でも、せっかくなので、のんびり十枚峠を経由して登りましょう。

 分岐からしばらくは山肌を右が沢へと傾斜しているトラバース道になります。やがて沢を通過しますが、 さて、1つ目の沢を過ぎると、つづら折れの急登りを少し繰返した後、道は峠のようなところになって、再び山肌のトラバースの後、2つ目の沢を渡ります。その先の岩を登るところにはロープが固定されていて助かります。この沢ですが、真冬に来ると、まるで時が止まったように、氷の滝状になっていて大変きれいです。ちょっとした秘境です。

Jyuumaisawa3 二つめの沢を渡ってしばらくいくと三つ目の沢 を渡る。しばらく行くと道は平坦に近くなって笹原に出る。その笹原をひと登りで十枚峠だ。

 まさしく峠になっていて、反対側に下りると山梨県の南部町に降り立つことができる。南へ行けば下十枚山。峠からはそびえたっている様子を見ることができる。十枚山へは北(来た道を左折)に進路をとる。下十枚山からのこの道は安倍奥の山々を結ぶ縦走路となっていて、うまく足を運べば静岡の市街のはずれから山々を越えて南アルプスの取り付けまで縦走できる。ただし、山は山、それなりの装備も要する。

Jyuumaisita  さて、十枚峠から十枚山へは見晴らしの良い高原の雰囲気を味わいながら登ることになります。途中、山梨県側にスッパリ切れ落ちている崖の上を通りますが、ロープで柵をしてくれているので難なく通過できます。いや、なんの、通過しないで、その崖から北側を望むと、遠くに八ヶ岳や南アルプスの鳳凰三山や北岳方面を見ることができ、正面には富士山が大きいというひと展望を楽しむことができます。

 崖の上を通過すると、十枚山への急登り。笹原の急登りをひと登りで十枚山山頂(1726m)です。ここで、南アルプスや安倍奥の山々、遠く伊豆半島、駿河湾の展望を満喫し、来た道を下山するもよし、直登りルートを下りるもよし。計画しだいでは、十枚峠から南部町に下ったり、さらに北へ、縦走路を大光山(おおぴっかりざん)方面へ行くもよし。いろい
ろなルートを取ることができます。

 縦走のお話は今度の機会にして、今日のところは日帰り装備しかないという想定ですので直登ルートを下ります。山頂から西に、安倍川めがけていきなりの急降下から始まります。かなり急な下りもあるので雨上がりなどで濡れている日は滑って落ちないように慎重に下りましょう。

 笹原から森林に入ると、斜度もやや緩んでつづら折れの坂道をエッホエッホと走って下ることもできます。途中の枯れ沢は対岸に道があるので、沢に誘い込まれないように注意が必要です。

 つづら折れが終ると、小尾根を少しいきますが、まっすぐに尾根の方向へ行かないようにしましょう。左に下りる道があり、その向こうに尾根をさえぎるように枝を横たえていますので間違うことはないかもしれません。

 小尾根をトラバースするようにどんどん下ると、道は植林の広い尾根に出ます。ここも昔は迷いやすいところでしたが、いまではおそらく踏み跡もしっかりしていることですから、踏み跡を外さずに下るとはっきりした登山道に戻ります。それを3~4回つづら折れすれば、前にお話しました十枚峠の道と合流します。あとは、来た道です。

 登りよりも下りのほうが迷いやすいし、滑落の危険もありますから、山頂にたった後も、家にたどりつくまでが登山と考えてください。登山のゴールは山頂ではありません。無事に家にたどりつくということです。

 さて、明日は、安倍奥を代表するもう一つの山、安倍奥と南アルプスの接点の山でもある山伏岳(やんぶし、2014m)のお話です。

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2012年5月17日 (木)

安倍奥|安倍奥の山々の概要

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昨日の続き。安倍奥の山々の概要をお話します。120516_074155その前に、道場にチューリップが咲きましたので写真を掲載します。ご覧ください。ユリ(写真左側)も順調に育っています。今のシリーズが終わりましたら、また白馬のお話に戻りますが、白峰南嶺を語るには日数がかかりそうです。

安倍奥の山々は、師匠亡き後の6年の間に、仏谷山~十枚山~大光山(おおぴっかりざん・・面白い名前です)~安倍峠~大谷崩~山伏岳と、そのすべての峰を走破している懐かしいところです。

でも、あの静岡での日々より、今の長野・北安曇野の日々のほうが、ずっと明るくパワフルな行者です。と、いうわけですので、早く白馬の話に戻りたいなと思うこの頃ですが、歩んだ道のりですので、このお話、まだまだ長そうです。おつきあいよろしく!

尊無上亜甲中玄   玄上

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 静岡市中央部を流れる安部川。川の本体さらに地下深くを流れる覆水は日本でも有数の清水です。その源流部、安部奥の山々は最高でもやっと二千メートルを超えるという低山と高山の間に位置するように思えます。その安部奥の山々は富士川の西に位置し、その延長を北にたどれば、日蓮宗の七面山があります。山梨県の西を縁取る様に、静岡県との県境を南北縦に走っている山脈です。

 さて、私がこの安部川源流の山々に足を踏み入れるようになったのは、師匠亡き後、ひとりで修行をするために、まず初めにはいった山々です。安部奥の深い渓谷と、鋭く切り立った山々、見上げれば急峻ではあるが、いざ足を踏み入れてみると、大変優しい山、自然の営みに触れることができました。

 西には、南アルプス深南部の深い森林で覆われた山々、少し北に目をやると、茶臼岳、上河内岳、と並び、聖岳、赤石岳、荒川岳三山と三千メートルの山々、さらに北には塩見岳、その向こうに北岳と、南アルプスの北部までが一望できる。天気のよい日には遠く八ヶ岳や浅間山までもが望むことができる。また、東には、天子山塊の向こうに富士が大きい。雲海の日には、雲に浮かぶ富士を堪能することもできる。まさに、南のアルプスの展望台ともいえます。

 そうですね、毎週ほどこの山にはいっていましたかな。いいえ、どうかすると毎日でしたね。最後にはいって、もう10年あまり前になりますから、ここで、お話するのは参考として、もしも、実際にいかれる場合は最新の地形図を用いてください。

 安部奥の山でとりわけ目立つのが、十枚山(1726m)と山伏岳(2014m)です。目立つといっても、比較的登山道も安定していて、登り易いというだけで、安部奥の山々のひとつの峰にしか過ぎず、地形を知っていないと、どれか検討もつかない山です。日本アルプスには「連峰」となる山々が多く、ちなみに、富士山(単独峰)のようにはっきりと「山」とわからないものです。どの峰がどの山であるかを見極めるのも山旅の面白さでもありましょう。

 安部奥へ安部川を遡ったとき、両側に山が迫ってくれば安部奥です。また、安部奥の山に取り付くのは、静岡県側だけでなく、山梨県側からもできますが、ここでは、静岡市側から入るルートをお話しましょう。

 ただ、最近、この山々には熊が出没して、単独では危険ですから、複数の人と楽しくハイキングが望ましいです。私も何度か出くわしていますが、「尊無上亜甲中玄」のでかい尊題唱にびっくりして逃げていっています。

 明日のお話は、十枚山です。

尊無上亜甲中玄  玄上

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2012年5月16日 (水)

亜甲中玄|山行のお話

 今日から、ちょっと古い山行のお話をいたします。ちょうど今から18年ほど前によく足を運んだ山々のお話です。長く続きますので、お付き合いのほどよろしく。
 お話の中では、私が日本アルプスでもっとも魅力的と感じている「白峰南嶺」も登場します。
尊無上亜甲中玄  玄上
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 私がひとりで山の中で修行をするようになったのは、大師匠を無くしてからです。それまでは、静岡市の水見色というところに師匠の「お山」があり、その山中にて修行をしていました。でも、そこは里から離れること、歩いて十五分ほど。今思うととても楽だったですね。
 力のある方が亡くなられた時、よくあることですが、待ってましたとばかりに、師匠の教示なんぞ関係なしに動き出す外弟子たち。私は彼らの心うごめくのが嫌で、また、霊感がどうのとか、私の知る師匠の教示から外れる方向になってきたので、せっかく師匠が開山された水見色のお山なのですが、キッパリと辞めました(笑)。
 ま、それは遠く過ぎ去った昔のことですので、どうでもいいとして、私はひとりで修行をするようになったある日の事、いつもは山頂を目指すと言う事はしなかったのですが、とてもすがすがしい朝だったので、山頂へ登ってみたのです。
 南アルプス南に、安倍川の源流部の山の山頂で、そうですね、ちょうど去ったお山のある山が見えるのです。山頂に鉄塔があるのですぐにわかりました。はるか眼下に見下ろすあの山の向こうの麓(ふもと)にお山があると思うと、「何とも小さなところでうごめいているのだ」と、お山を去った事への後悔どころか、欲望でそこに残る者たちの心の
小ささを思い知らされたように感じたのです。

 標高2000m近いその山頂で、後ろには南アルプスの三千メートルの峰々が雪を蓄えて真っ白にたたずむ。その広大さに、私は「このアルプスこそ、このアルプス自体が私の道場であり、まさしく、その名の通り『お山』である。」と痛感したのです。
 それからの山中の修行というもの、必ずや一度は山頂を訪れるようになりました。もうひとつ、山頂を訪れる理由は、そこに、大師匠のおもかげを思いおこすのです。できるだけ天高いところで、師匠と出会う、そして、神々との語らい。それ故に、色々な道、いや、道なき道もあります。大自然の中に生息する動物になって、それらの「気」を感ずる。自動車も入らない。コンクリートの気配も無い。人造の物は何一つ無い。素晴らしい大自然であるのです。

 と、いうわけで、今から10年ほど前に、メルマガで山修行のお話をしようと思い原稿にしていたお話を、明日からブログにてお話します。
 ガイドブックには無い山の楽しみ方。秘密にしておきたかった事も、さらりと流しながらお話します。ついに、秘密のルートがベールを脱ぐ時も近いのか・・いいえ、迷ったりして危ないので、ちょっとだけ選びながらお話します。
 なにしろ記録は、今から十数年前のことですので、ルートは変わっているかもしれないということをご理解ください。

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尊無上亜甲中玄  玄上