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2019年12月29日 (日)

パンスターズ彗星(C/2017 T2)|続報12/28/2019

2017t2
C/2017 T2 Comet PanSTARRS
Dec.28 2019 20h53m JST / Super Takumar 135mm F4/2.5 PENTAX K70 iso6400 25sec. / in白馬村 by玄上

先月11月30日に撮影したパンスターズ彗星を12月5日のブログで記事にしましたが、それから一か月後の続報、12月28日のパンスターズ彗星です。

写真中央のやや緑がかっていて、左斜め上に向かって薄くオタマジャクシのしっぽのような尾を引いているのがパンスターズ彗星です。クリックすると大きくなります。写真は、下が西、左が南になります。追尾装置がうまく連動せずに、星像が少し線になってしまいました。

現在ペルセウス座にあり、前回より1等級明るくなって9等級になり、南に延びた尾も10'ほどに長くなっています。尾は地球から見る角度によって方向と長さが変わりますが、先月と比べると成長してきました。2020年5月の近日点通過に向けて、順調に明るくなってきています。

さ、もうすぐ大晦日、そしてお正月です。彗星が夜空を駆け巡るごとく、時が経っていきます。皆様、良いお年をお迎えくださいませ。

尊無上亜甲中玄   玄上

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2019年12月10日 (火)

ボリゾフ彗星(2I/Borisov)。人類観測史上初の太陽系外から来た彗星。

ネットニュースでご覧になられた方もいるかもしれませんが、太陽系外から来た彗星が火星軌道の向こうを通過中であります。太陽系外天体を人類が見るのは2年前のオウムアムア(1I/OumuAmua 2017 U1)という小惑星状の天体以来2回目で、とても珍しいものです。彗星では人類観測史上初めてですね。

ニュースになったのは、この彗星の近日点通過日が12月8日という事で、大げさに「8日に太陽に接近!」とか出ていたと思いますが、そんなに接近していません。太陽に一番近いところを通過する日というだけで、距離は太陽と地球との距離の2倍ですから、火星軌道のさらに向こうというずいぶんと遠いところにいます。それよりも注目したいのは、人類が彗星観測を経験する歴史の中で、初めて太陽系外から来た彗星であるという事です。

現在15等級ということで、肉眼で見える一番暗い星のさらに、一万倍は暗い状態ですので、口径20cm以上の望遠鏡でないと全容を写真に撮ることができません。しかし、人類が初めてとらえた太陽系外からの彗星なので、なんとか、その存在だけでも写らないものかと、無謀にも口径が6cmにも満たない望遠レンズで挑戦しました。

Borisov_0960
2I/Borisov  C/2019 Q4
Dec.9 2019, 28h59m(JST) / Super Takumar 135mm F3.2/2.5 PENTAX K-70 iso6400 20sec / in白馬 by玄上

バーの間のとても薄くかろうじて写っているのがボリソフ彗星の存在です。位置はコップ座にあり、15等級です。写真をクリックすると別ウインドウで見やすくなります。これが彗星と分かったのは、朝の4時半ごろから5時過ぎまでに撮った中にいくつか写っていて、軌道計算通りに南南東に移動が見られたからです。

「せっかくマイナス5度の空の下で粘ったのに、やっぱり望遠レンズでは無理だったか。打ちのめされた(笑)」と諦めかけましたが、若いころに彗星捜索用に使っていたウラノメトリア2000.0という精密な星図を引っ張り出してきて、軌道推算と照らし合わせ、複数の画像からの移動を確認して同定(identification)しました。あの頃の技術がなければ諦めていたでしょうね。

12月9日の28h59mとあるのは、12月10日の午前4時59分ということです。日本時間は世界時から9時間差があるので、4h59mという表記はしないで、午前9時まで前日の通しでの表記にする場合があります。また、写真内にwを記入していますが「笑」ではありません。west、つまり、写真で空の西の方向を示しています。

軌道はゆるい放物線ではなく、離心率3をこえるすごい双曲線です。ほとんど太陽の重力に束縛されず高速で動いています。離心率(e)は真円がe=0、0<e<1が楕円、e=1が放物線、1<eが双曲線となります。太陽系内の彗星はたいていが1以下です。

ちょっと難しいお話もしましたが、はるばると太陽系外から来た彗星です。我々が知らない宇宙のほうが断然に大きいのです。その深い宇宙の神秘にも神々との語らいを感じるこの頃であります。

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2019年12月 5日 (木)

パンスターズ彗星(C/2017 T2)|彗星の神秘

C2017t2
C/2017 T2 Comet PanSTARRS.
Nov.30 2019, 21h25m(JST) / Super takumar 135mm F4/2.5 PENTAX K-70 iso6400 25sec. / in白馬村 by玄上

最近の一眼デジカメの威力は凄いですね。その昔は、この写真を撮ろうと思えば口径20cmぐらいの明るい望遠鏡にカメラをつけてシャッターを開けっぱなしにして彗星を追尾しながら(メトカーフ法という)数十分粘らねばらなかったのに、口径が6cmもない45年前の望遠レンズでポータブル追尾装置で、チャチャっと25秒でとれてしまう。そら、今でも、お金をかければもっとシャープで凄いのが撮れるだろうが、それは天文台に任せておけばいい(笑)。ずいぶんと手軽に宇宙の神秘を写真に収めることができる時代になったものですね。

写真は2017年10月に、地球接近天体を監視するパンスターズ・全天サーベイシステムが発見した彗星です。ですから、パンスターズ彗星という名前の彗星はたくさんあります。その昔は、発見した人の名前が付いたものですが、今ではとても少なくなりました。パンスターズさんがたくさんいるみたいですね(笑)。

この写真のパンスターズ彗星は約10等級。ぎょしゃ座にあります。淡く短い尾が南西方向(右上)に出ているのが写っているのですが写真をクリックして大きくして見てくださいな。この彗星は2020年5月に火星軌道の外側近くのところまで近づいてきます。5~7月にかけて7~8等級まで明るくなると思われますので、その頃にまた写真を撮って当ブログに載せますのでお楽しみに。

追記:パンスターズ彗星(C/2017 T2)|続報12/28/2019

彗星は太陽系の起源を教えてくれる古い雪玉です。青白いこの小さな星に太古の神秘が隠されています。天高き事一万尺、大自然に包まれたアルプスの頂をさらに天空へとたどれば、雄大なる大宇宙へとつながるのです。

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2019年2月17日 (日)

岩本彗星です。C/2018Y1

C2018y1_iwamoto

C/2018Y1 Comet Iwamoto
Feb. 12 2019 23h40m super taukmar 135mm F3.5/2.5 iso6400 5sec / by Genjoe.


先日、八ヶ岳方面に出向いた夜に岩本彗星の写真を撮ってきました。写真中央にやや緑がかってボーっと写っているのが彗星。彗星の左下の明るい星はしし座のη星です。

昨年の暮れに星の写真が撮れるデジカメを入手しましたので、それに、40年ほど前に星の写真を撮るのに使っていた準望遠135mmレンズを取り付けて撮りました。デジカメは、その昔に比べれば感度がケタ違いに良いので、昔は15~20分追尾しながら撮ったものでしたが、たった5秒で手軽に撮れるようになりました。追尾用のガイド望遠鏡も要らない便利な時代になったものですね。
岩本彗星は昨年12月に徳島県の岩本さんが発見したもので、ほとんど放物線に近い軌道で周期が約360年。次に訪れるのは360年後です。新しい機材の入手で星の写真が撮れるようになりましたので、山々だけでなく宇宙の神秘をブログに掲載していきたいと思っています。お楽しみに。

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2019年1月 4日 (金)

28年ぶりに彗星の写真を撮りました。

Wirtanen_46p

最近のデジカメは便利になったもので、星の写真が手軽に取れるようになりました。でも、オートフォーカスなのはいいのですが、∞の設定が難しく、ピントが甘いですね。今後工夫せねばと思っています。


写真は、遠ざかっていくウィルタネン彗星です。やや緑がかった彗星独特の色をしています。


最後に彗星の写真を撮ったのが1990年の10月ですから、28年ぶりにカメラにおさめる事ができました。今日の未明の1時ごろは快晴の放射冷却でマイナス16度。キーンと引き締まる星空でした。

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2013年11月15日 (金)

エンケ彗星(2P)が見ごろです。2013年11月半ばまで。

アイソン彗星が話題になっていますが、現在、双眼鏡で見ることのできるもうひとつ彗星にエンケ彗星(2P)があります。エンケ彗星は私が20年前までに見ていた頃と違って、観測技術が発達し、全軌道上観測できます。3年ほどの周期が最も短い彗星のひとつです。

今年2013年は回帰の条件がよく、現在7等級で、口径3~5cm以上の双眼鏡で見ることができています。もうすぐ月が明け方にまわってきますし、東の地平線からの高度が低くなっていますので、11月17日の明け方ぐらいまでが見ごろかもしれません。

また古い写真を引っ張り出してきました。エンケ彗星の思い出です。

131115_1334391990年のエンケ彗星です。近日点通過ごろです。
P/Encke T:1990 Oct
1990 Oct.3 04h16m~04h34mJST 15cmF6 Neopan1600 T-MaxDeveloper 21℃9min.
メトカーフ法という追尾方法で撮影しています。通常、星は東から西へ動くのですが、それを追尾するガイドにくわえて、彗星固有の動きを計算して、それにあわせて追尾する方法です。
そうすると、周りの星は線に写るわけです。 当時は、モータードライブが赤経方向しかなかったので、赤緯方向は手動でやっていました。

131115_133538天文を辞める最後の夜1993年の12月に撮影したエンケ彗星です。地球からの距離が遠く、かなり暗いです。
P/Encke T:1994 Feb.
1993 Dec.9 18h28m~18h35mJST 12.5cm F4.74 fl593mm TP2415(H2) D-19 20℃6min.
手製の口径12.5cmの望遠鏡で撮りました。手製なのでF4.74 Fl593mmと、中途半端な焦点距離になっています。
この頃になると天文学会経由で研究用の高性能フィルムTP2415の水素増感タイプが手に入るようになっています。

現在ではデジカメですからね。時代と共に進化もたいしたものです。

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2013年11月 4日 (月)

彗星とはどんな感じで見えるのか、飛んでいるのか、流れるのか。彗星の見え方。

1975n
今日は、アイソン彗星が近づいているとあって、彗星を見たことのない方のためのお話です。この写真は1976年3月の早朝に東の空に出現したウエスト彗星です。(Comet West 1975n / 1976 Mar.14 05h02m~05h05m ペンタックスSL SMCタクマー200mm F4/4 トライX パンドール20℃12min. 手動ガイド)

この写真を見ると、おおかたの方は、左下に向かって飛んでいる、もしくは、流れているように思われると思います。でも、彗星はこの姿のまま空に張り付いて、日周運動と共に、他の星と一緒に東から西へと動いているだけなのです。(厳密には彗星の軌道上の動きもありますが)

では、どうしてこのように見えるのかをお話します。彗星が、太陽に近づくと、彗星の表面が融かされたり、分解されたりする塵ができます。それが、太陽風で太陽と反対方向に吹き飛ばされるからなのです。ですから、飛んでいくように見える方向には、太陽があります。

この写真の場合、明け方ですので、太陽はまだ水平線の下にあります。3月14日は春分の日に近く、この頃の5時は日の出まであと1時間あまり、空が白くなろうとしている時間ですね。

1990tk尾が出ている彗星が見えるのは一年のうちでも数個で、ほとんどは、この写真のように、ぼやっと見えています。この写真は1990年10月に訪れた土屋木内彗星で、日本人二名によって発見されたもので、私が自作の15cmの望遠鏡で撮って天文ガイドという天文誌に載った写真です。(写真をクリックすると大きくなります)
1990年10月20日28h55m99s~29h10m00sとありますのは、10月21日の午前4時55分から5時10分まで15分間シャッターを開けっ放しにて撮影したということです。

古い写真ばかりで申し訳ございません。なにしろ大師匠亡き後、山行の連続で、天文をしなくなって20年経ちますのでご勘弁ください。でも、大宇宙の神秘のお話は時々いたします。

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2013年8月12日 (月)

【流星群】ペルセウス流星群2013とスイフト・タトル彗星。

今夜(2013/8/12-13)はペルセウス流星群の極大です。実際に見えるのは「8月12日の夜」ではありません。日付が変わった「8月13日のAM」、夜半過ぎ~明け方です。
それにつきましては先日ブログに掲載しましたので、以下をクリックしてご覧ください。
【流星群】ペルセウス座はどこにある?流星群が見える時刻は?

さて、流星は宇宙の塵が、地球の大気圏に突入して燃えて発光する現象ですが、そのうち、流星群は、彗星や小惑星が軌道上に残した塵の中に、地球が突入することによっておきます。その時の彗星や小惑星を流星群の「母天体」といいます。

ペルセウス座流星群の母天体は、
スイフト・タトル彗星(1992t P/Swift-Tuttle)です。
121118_165734
スイフト・タトル彗星は1992年に訪れています。上はその写真で、当時、私が撮影したものです。周期が135年の彗星ですから、私達が生きている間にはもう見ることはできません。。(撮影データ:1992 Nov.22 18h28m~18h40m SMCタクマー200mm F4/4 FujiColorG400)


でも、軌道上には彗星から放出される塵が残されているのです。その一番濃いところに今夜地球が突入して、ペルセウス座流星群が現れるというわけです。

大宇宙の現象は面白いものですね。

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